前回は、私がある方の一声で今まで知らなかったメーカーのランニング用GPSウォッチを購入したお話をしました。 大迫選手やキプチョゲ選手などオリンピックアスリートと契約しているcoros(カロス)です。 と言うことで、恐らく真面目な(?)ランナーなら知っていたかもしれないメーカーですが、所謂「なんちゃってランナー」としては初めて聞く名前でした。...
GPSウオッチで自分だけでは出会うことがなかったブランドとの付き合いが始まりました。
「今日は何もない一日でした」というニュースを一度聞いてみたいものだと思うほど、世の中には事件事故、不祥事ネタが溢れています。当事者にとっては事態に軽重はないのでしょうが、ニュースを取り扱う側から見ると限られた時間や紙面の都合から優先順位をつけてしまう。逆の見方をすれば、重いと思われるニュースが無ければ軽いと判断した事柄でも優先順位が上がってしまうということですね。結果的に「何もない日はない」となってしまう訳です。 11月にブランドマネジメントから見た「不祥事への対応」について書きましたが、ここに来てまた騒ぎが勃発しています。 タレントと自社社員とのトラブルを放置していたとしてテレビ局が非難されている事柄です。 タレントへの期待の反動、相手側へのダメージ、その後のタレント本人や会社の対応、など残念なことばかり。 特にテレビ局の対応に至っては、「炎上に燃料を継ぎ足してどうする?」というものでした。 窮地に立った時に誰もは、まず身を守ることを考えます。どうすればダメージを最小限に食い止められるか対策を考えるのは当然です。 但し、その背景や原因が全くの外部にあれば自分たちで考えた対策を打てば良いだけですが、そこに自分たちが含まれているとなれば話は別です。特にステークホルダー(社員を含め)に対して悪影響を及ぼした場合は、それらに対して「真摯に対応するために何が必要か」を最優先に考えるべきだと思います。 取材する側であれば、あの定例記者会見だけで「次回は調査委員会で説明するので待ってください」という戦法がどれだけまずいか分からなかったのでしょう。 頭の良い(だろう)人たちが集まっても、自分たちの身を守ることを優先してしまう(ように見られてしまう)のか、会社の風土、経営者の危機管理力の低さなのか、ここまで来ると「何をやっても叩かれてしまう」想定と全く逆の結果になってしまいました。 SNSで様々な声が上がっていることに関しては、伝聞や不確定な情報源を参考に当事者や関係者に無責任な情報を発信することは控えなければいけないのは言うまでもありません。 若干強引かもしれませんが、そんな事態になることまで想定できていたのかどうか、企業の危機管理をどのように仕組みや意識で定着させられるかは大きなテーマです。 社員にとっては辛いことかもしれませんが、再発防止を超えてブランドを再構築する動きを見せていただきたいと願います。
結婚して「新しい家庭を築くこと」を新しいブランドを二人で立ち上げることと見立てた時に「夫婦別姓」の議論を考えてみました。
一般的にブランドで「嫌われる」は決して好ましいことではありません。 しかし、自由経済社会においてシェア100%を維持し続ける商品やサービスがほぼ見られないことから、ブランドには①好かれる②意識されない③嫌われる/という3つの態度を受け入れるころは避けられません。一定数からは「嫌われる、あるいは無視される」ことは頭に入れておくべきです。...
①徒然ブランディング · 04日 12月 2024
事故や事件があって、その原因を作った当事者として世間にクローズアップされることはメディアやネットでほぼ毎日あることです。 先に例示した石油ファンヒーターの死亡事故やタイレノール毒物混入事件、札幌すすきのタイヤのマルゼン騒ぎなど、有名になればなるほどその対応に時間と費用がかかってしまいます。...
①徒然ブランディング · 04日 12月 2024
タイレノールを服用した人が次々亡くなる事故が起きた際、第三者による意図的な犯行なのか、それとも生産過程で生じた問題なのかもわからない中、CEOのジェームズ・パーク氏は自社には責任がないと言い逃れをすることもなく、すぐにマスコミを通して「アメリカの消費者にタイレノールを一切服用しないこと」という旨の警告を発信し、自主的に商品の回収を行いました。 同社が行った情報公開は、当時衛生放送を使った30都市にも渡る同時放送、専用フリーダイヤルの設置(事件後11日間で、136,000件の電話があったため)、新聞の一面広告、TV放映(全米85%もの世帯が2.5回見た計算になる露出回数)と、当時の考え得るありとあらゆる手段を講じたそうです。 ここでは重要な情報を包み隠さず発信し続け、マスコミからの厳しい追及を受けても決して委縮せず、常に誠意ある対応を取り続けたことです。 「タイレノール事件」の発生後、ジョンソン・エンド・ジョンソンはマスコミ各社への情報公開と共に、即刻今までにないタイレノールの新パッケージの開発に着手しました。 それは、異物混入を防ぐために作られた「3層密封構造」と呼ばれる特殊な形状のパッケージで、革新的な仕組みとして話題を呼びました。なお、この時に開発されたタイレノールのパッケージは、異物混入を防ぐ業界のスタンダードとして、今でもアメリカの内科医や薬剤師からの多くの支持を得ています。 全米の店頭から姿を消したタイレノールを復活させるために、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、事件の直後から2ヶ月に渡り、可能な限りの状況説明に尽力しました。 それは消費者だけに留まらず、医師やその他関係者に向けても繰り返しプレゼンテーションを行い、できる最大限の対応の結果、タイレノールは数多くのお客様との信頼関係を修復するに至ります。 その結果、同社は「タイレノール事件」の発生からおよそ2ヶ月後にあたる、1982年12月にはなんと事件前の売上の80%にまで回復しました。 亡くなった方がいるのでハッピーエンドとは決して言えない話ですが、このように振舞える企業と商品はさらに大きな信頼や信用を得たと言えるでしょう。 テクニカルな手法や理論的なアプローチも大切ですが、その背景に必要な「ブランド成長に必要な何か」を探るのってワクワクしませんか。
①徒然ブランディング · 29日 11月 2024
11月27日札幌すすきので放火事件が起こりました。ニュースで見た方も多いのではないでしょうか。 ただし今回ブランドの面から語るのは、火災に見舞われたガールズバーではありません。 そのブランドは「タイヤのマルゼン」。CMで「タイーヤ・マルゼン、タイヤ・マルゼン」と言えばお判りになると思います。 マルゼンとすすきのの放火?...
①徒然ブランディング · 20日 11月 2024
今回は、自社の商品やサービスで問題が発生したものの自社の責任外の出来事で避けようがなかった場合、もしくは自社の責任外の可能性は高いもののそれを完全に否定しきれない場合の対応についてお話します。...
①徒然ブランディング · 20日 11月 2024
パナソニック(当時松下電器産業)の石油ファンヒーターの不完全燃焼事故は2005年でしたが、当時TVCMを全て謝罪と製品回収に切り替えました。当然と言えば当然ですが、事業部毎にビジネスを展開していたパナソニックがそれを行うためには経営トップだけでなく他の事業に関わる人たちもパナソニックという会社としてそうすることが正しいとすぐに判断し、実行に移したという点では、不幸な事故に対し可能な限り誠実な対応の一つだったと思います。 そして時が流れ2023年10月のことですが、我が家の朝刊チラシにまたパナソニックから当時の製品回収の案内が入っていました。 事故自体を覚えている人も少なくなっているし、製品回収だって進んでいただろうに「未だになかったことにせず、続けている」その姿には驚きと共に誠実さが強く感じられます。 実は、同じ時期に石油ファンヒーターの死亡事故を起こした会社がありました。その会社は事故を知りながら初期対応も事実確認も遅れたことで世間から逃げたとの烙印から信用を完全に失墜してしまいました。 また、自動車用品メーカーのタカタで起きたエアバッグ誤動作による死亡事故の例もあります。 事故当時、「ホンダの仕様書通りであり責任はない」と突っぱねた後に原因がタカタにあることが判明し、最終的には事業継続が難しくなり米国企業に経営が移りました。 その米国企業の親会社は中国にあるとのことで、日本にとっては技術流失の損害も被ったことになります。 「責任はない」と言い切って顧客であるホンダの責任であると発言した真意は分かりません。 嘘をついていたのか、そのような報告が現場から上がっていたのか、どちらにせよ対応を誤ったことに違いはありません。 このような問題が起きた時にどのように受け止め、対応するのかで結果は大きく変わることなんて、想像がつくだろうに、、、 困った時にどのように判断し動くかにより、その人の心根や強さが分かります。 法人という人も同じなのだと思います。